日常

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「…ん?ありゃ?さっきの可愛い子だー。どうしたの?」 「へ?」 音の主が私だと解ると、 先程の緊迫した空気は消え あんまりにも普通に声をかけてきたから間抜けな声が出てしまった。 「ごめんごめん、怖がらせちゃったーよね…。音に驚いちゃってーつい。ごめんね?」 私は何も言えなくて ただ頭を何度か横にふった。 音に驚いた? あんな小さな音に驚いたですって? 死んだように動かなかったあなたが? 「あんた一体…」 「あぁ、そうだよね!私の名は一葉、宮辺一葉。でー、このこは椿。よろしく!」 いやいやいやいや そんな笑顔で名乗るもんだっけ名前って まぁ、第一印象って大事よね… え、何?このこって刀の事? あんまり年は離れてなさそうなのに 何で刀なんて持ってるのこの人…。 しかも名前までついてるんだ… この人がつけたのかな。 それともそう言うものなの? 「でーあなたの名前は?」 「え?」 「私と椿だけ名乗って貴女だけ名乗らないなんて何か不公平じゃない?」 何でよ! 勝手に名乗ったようなものなのに!! それでも一葉と名乗ったその人は 笑顔で私の声を待っていた。 「…っつ、椿。」 「へ?」 「藤咲椿。私の名前。」 私はちゃんと名乗ったのに一瞬 お姉さんは ?? と言う顔をした。 でも二回目で ようやく分かってくれたみたい。 太陽みたいな笑顔を浮かべた。 「へぇー!貴女も椿って言うんだ!うわぁー初めて会ったよー!」 「はぁ。」 「ところで椿ちゃんは私に何か用があったの?それとも何かしてたの?」 「何かって…!姉様の葉っぱ!!」 しまった この人に驚いて忘れてた! 早く探さないと…! 「葉っぱ?葉っぱー…探してるの?」 「関係無いでしょっ」 一刻も早く見付けたいのにー! 「ねぇねぇどんな葉っぱなの?一緒に探すから教えて「嫌よ。」 何で見ず知らずのあんたが 手伝ってくれるのよ どうせ、馬鹿にしてるのよ あんたから見たらただの葉っぱでも 私大事な葉っぱなのよ!   
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