日常

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どれ位探したんだろう あんなに高く昇っていた陽が 水平線に消えかけようとした。 もう暗くなる… 早く見付けないと 私はともかく椿ちゃんはまだ子供だし 家が遠かったらまずいなぁ。 「ん?これはー」 ひい ふう みい… 葉っぱが四枚…。 「あっ、有ったああぁぁああ!」 「えっ!?」 草影から土と汗で汚れた椿ちゃんの頭が飛び出てきた 「椿ちゃん!有った有ったよ!」 私が椿ちゃんに駆け寄って それを差し出すと 「姉様の葉っぱ…ょかったぁ。」 と顔を綻ばせて、優しく 壊れ物を扱うかのように受け取った。 でもごめんね、 それはきっと椿ちゃんの姉様からもらった宝物じゃないんだ 「…ほらー感動の再開もいいけど早く帰らないと日が暮れるよ?」 「うん。ありがとう!本当にありがとうっお姉さん!」 おねっ 「うぉわ!」 私を抱き締めた 小さな体は花の香りがした。 移っちゃったのかな 「いいえ。」 つい頭を撫でたくなった。 もう撫でてるけど 椿ちゃんにとってはこの葉っぱが よっぽと大切な物だって伝わってきた。 あんだけ真剣に探す訳だよね。 「ほら、早く帰んな。」 「うん!ありがとう!またねーっ」 椿ちゃんは手を大きく降りながら走り去った。 滅茶苦茶可愛いんだけど 頼むからもう無くさないでねー 頼むから。
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