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顔を俯かせ拒絶の態度を見せる。
携帯を折るようなしぐさを取ると、慌てて言葉を捻り出す。
「ふ…復讐よ…」
「復讐?何の?」
「私は……男に……犯された」
頭に血が昇るのがわかった。
それをおさえ、店員にミルクティーを2つ頼む。
店員が直ぐにミルクティーを持ってくるが、二人とも手を付けず無言で黙りとしていた。
やがて女の方が口を開く。
「あんたは、何者なの?それにその右目の眼帯はなによ?」
訝しげに俺の眼帯を見つめる。
「ただの飾りだ」
「胡散臭い…見た目は成人してそうだけど仕事は?」
「そうだな、詐欺師、とでも名乗っておくか」
「ようするにニートね」
呆れたように女は溜め息をつく。
詐欺師はニートと同じらしい…そう思うと少し面白く、吹き出してしまった。
「なによ?」
「いや、それよりお前の行いは、あくまでも私怨ということでいいのだな?」
「そうよ…私は犯されて、直ぐに警察に頼った、犯人は捕まったけど、直ぐに牢屋から出てきた。結局、そいつらに罪を償わせたって私の痛みは癒されない、私の恐怖は拭えない、私の怒りは止まらない。だから」
「だから男達を悪質サイトに誘導し、あわよくば多額の金を貢がせ、間接的に復讐している、ってか」
女は頷く。
「馬鹿馬鹿しい」
「あんたになにがわかるのよ…」
今にも泣き出しそうでいて、噛みついてでも来そうな顔でこちらをみやる。
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