二人

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『新しい季節は~♪』 学校の屋上に続く階段。音楽プレーヤーのイヤホンを耳につけた俺は、死んだ様な目をして階段を上った。 『何故か切ない日々で~♪』 全く、本当だ。いや、俺の場合は毎日が切ないよ。 妙に五月蝿い金属音を立て、屋上の扉が開いていく。屋上は何も無いが、景色を見渡すには絶好の場所だ。 『河原の道を自転車―…』 そこで俺はイヤホンを耳から抜き、床に投げ捨てる。 覚束ない足で、屋上のフェンスへと向かった。
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