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「……はい?そうなの?」
「あっ!姉と母さんなら……」
絶対ひいてるな。まぁ…無理もないというよりはそれが妥当だ。
「じゃあ~私がクラスの女子で1番なんだ!なんか嬉しい♪」
あれ?意外な反応だ。
「ひいたりしないの?」
「なんで?私は嬉しいけど…変なのかな?」
「いや……僕としてもそっちの方がいいよ」
「やっぱり安井君はおかしな人だ!」
君に言われたくない。
「じゃあ、また明日!」
「また明日!」
そう言って佐原さんと別れた。
僕と佐原さんの家は割と近い。だから1人になってもすぐ家に着いた。
「ただいま」
「お帰り!どうしたの?心配したんだよ!」
珍しく、京姉が帰っていた。
「ちょっとね……今すぐ晩ご飯作るよ」
「あ~そのことなんだけど……」
「……?」
「私が作ったんだ……その…いつも達也ばかりに作ってもらってたから…」
「京姉……」
優しいな……京姉は………ん!?
「きょ……京姉?それで……出来栄えは?」
「……ごめんなさい!」
やっぱりか……
「それで?京姉は作ったやつを食べたの?」
「ううん、カップラーメン!それでね……」
まだなにかあるのか!
「達也の分のカップラーメン無いんだ……」
……Why?
「つまり……家には京姉の作ったご飯しか無いというわけか………」
「ホントにごめん!」
「もういいよ…京姉も僕のことを思ってしたことなんだから」
そういって僕は鍋を開けた。
……これはなんだ?
「京姉……これはなに?」
「……肉じゃがです…」
なんですと!
僕の目の前にある鍋には肉じゃがなどなかった。
「……とっとりあえず、いただきます!」
そして僕は肉じゃが?を口に入れた。
「どうかな?」
正直な意見を言うと…不味くはない、でも美味しいというわけじゃない、つまりは微妙という意見だ。
でもせっかくなので全部食べた。京姉は申し訳なさそうでどこか嬉しそうだった。
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