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「結子は…どういう状態なんですか…?」
「…残念ですが、奥様は先程11時32分に…お亡くなりになりました。」
建治が病院に着いたのが11時40分。
間に合わなかった。
「うぅ…う、あぁああぁあッあぁ…………」
建治はしばらく声にならない声で泣き叫んだ。
午後3時頃、いろんなことを思いながら僕は家についた。
生きる希望を失った僕はこれからどうやって生きていけばいいのか…
建治の家の前には一本の桜の木がある。
昨日までは満開だったはずの桜がなんと今は一枚も残らず散っていた。
その晩悲しみに溺れて気づけば眠っていた。
だが次の日の朝、いつも聞いている声で目が覚めた。
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