春の桜と君の瞳

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「…あ、ごめんね。いきなり」 腕にあった温もりが、一瞬でなくなった。 なんだか異様に空気が冷たく感じる。 「…璃里先輩は写真部なんですか?」 「うん、一応ね。でも助かるよ~写真部に入ってくれるなんて」 笑顔。 嘘の無い笑顔。 「実は写真部、廃部寸前でさ。」 「廃部?」 「そ、あたしを入れて2年生が2人。3年生が1人で…」 3人しかいないのか… まぁ人数が多いより少ないほうが嬉しいけど。 「そういえば、名前は?」 あれ、まだ言ってなかったっけ。 「…神瀬川 琶弥斗、です」 「珍しい名前だね…」 「あ~、よく言われます…」 男っぽい名前だ、ってね 地味に傷ついてたりするけど…もう慣れっこだ 「…じゃあ、ハヤちゃん!!」 「!!?」 「ハヤちゃん、ね。よろしく」 ハヤちゃん…? 初めてそんなあだ名がついた。 というかあだ名自体初めてついた。
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