第一章 サークル活動①

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「やあ。」 と、松下は冬美に言った。 「あ、松下さんと姫宮さん。横浜のおばあちゃん、何で松下さんと姫宮さんといるの?」 と、冬美は言った。 「こちらの方、冬美ちゃんのおばあさんなの?さっき、慶長病院の行き方教えてあげてたんだよ。」 と、姫宮が言った。 「おばあちゃん、前にも言ったじゃん。慶長病院は東京だって。」 と冬美が言った。 「ごめんね。すぐ忘れちゃうの。」 と、冬美のおばあさんが言った。 「冬美ちゃん、これからどこ行くの?」 と松下が尋ねると、 「夕方、代々木体育館で、コンサートがあるから、代々木駅まで行くんだ。それまで暇でさ、開店したら東急百貨店で買い物するんだ。」  すると姫宮が、 「ちょうどいい。買い物が終わったら、代々木駅まで、おばあさんを送って行ってくれない? メモは渡したんだけど、あの混雑した渋谷駅の乗り換えが大変だと思うからさ。」 「いいよ。」 と、冬美は答えた。 松下と姫宮は、理工学部のガイダンス(概要説明)を受けに、教室へと向かった。 「いやあ、冬美、ずいぶん変わったね。おばあさんも若いね。」 と、松下が言った。 「おれは冬美が、いいところの御嬢さんに見えてきた。」 と、姫宮が言った。
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