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「やあ。」
と、松下は冬美に言った。
「あ、松下さんと姫宮さん。横浜のおばあちゃん、何で松下さんと姫宮さんといるの?」
と、冬美は言った。
「こちらの方、冬美ちゃんのおばあさんなの?さっき、慶長病院の行き方教えてあげてたんだよ。」
と、姫宮が言った。
「おばあちゃん、前にも言ったじゃん。慶長病院は東京だって。」
と冬美が言った。
「ごめんね。すぐ忘れちゃうの。」
と、冬美のおばあさんが言った。
「冬美ちゃん、これからどこ行くの?」
と松下が尋ねると、
「夕方、代々木体育館で、コンサートがあるから、代々木駅まで行くんだ。それまで暇でさ、開店したら東急百貨店で買い物するんだ。」
すると姫宮が、
「ちょうどいい。買い物が終わったら、代々木駅まで、おばあさんを送って行ってくれない? メモは渡したんだけど、あの混雑した渋谷駅の乗り換えが大変だと思うからさ。」
「いいよ。」
と、冬美は答えた。
松下と姫宮は、理工学部のガイダンス(概要説明)を受けに、教室へと向かった。
「いやあ、冬美、ずいぶん変わったね。おばあさんも若いね。」
と、松下が言った。
「おれは冬美が、いいところの御嬢さんに見えてきた。」
と、姫宮が言った。
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