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† †
ドシャッと地面に叩きつけられ、微かに息が漏れる。
しかし思った程の衝撃ではないと、僕は思った。
地面を削りながら滑る自分に違和感を覚える。
確か撥ねられた場所は道路の上で着地点も道路なはず。
なのになぜ、僕は土の地面の上を滑っているのか?
そんな考えが浮かんで、すぐに消えた。
背中に突如、ものすごい衝撃がやって来たからだ。
「ガハッ!?」
肺から全て空気を押し出された感覚。
空気を求め、口を動かし、喘ぐ。
「か…くは……ぁ!」
ズキン!!と右腕が痛む。
全く動かない右腕をかばう様に左腕で身体を起こす。
霞む視界に写るのは、えぐられた地面と点々と続く血液。
「生きて……るか…」
かすれた声で小さく呟く。
辺りを見渡すと、そこは竹が生え並ぶ場所。
「………」
背中にぶち当たったのは竹の一本の様だ。
「ぐっ…うぅ……」
動く度に身体に激痛が走る。
痛みで気が遠くなる。
「……ちっ」
ある程度身体を動かして、僕は気付く。
右腕が肘から逆に曲がっている事に。
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