はじまり

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  「じゃあ、あたし帰ります。助けてくれてありがとうございました。」 「え、帰るの?電車、動いてないけど」 「え?」 「今、夜中の2時だし……」 男の人は苦笑い。 部屋にある時計を見ると、確かに2時03分と表示されていた。 でも、2駅なら歩いて帰れる距離かも! あ、でも道知らない……。 どうしよう……。 「住所教えて、送っていくよ」 悩んでいるあたしに気付いたのか、男は優しく笑ってそう言った。 「いや、いいよ悪いし……1人で帰れる」 これ以上迷惑はかけれない。  
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