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マネージャーに諭してもらって、なんとか自己紹介を終わらせることができたんだ。
「僕、太郎。宜しく頼むよ。」
ここでも、散々言われたよ。
「明らかに男だろ?」
「消えろ!」
「一緒に仕事したくありません。」
「冗談ですよね?」
「何ですか?コレ。」
「お前の血は何色だ?」
散々言われたよ。
全く…
僕に恨みでもあるのかな?
多分、アイドルって職種はストレスが蓄まってるんだろうね。
ここぞってばかりに、鬱憤をぶつけられた気がするよ。
僕が、やれやれといった感じで、
「アイドルが、そんな言葉使っちゃいけないよ?もっと上品にしようよ。」
って言い返したら、本気で僕を殺そうとしてきたのには驚いたな。
それにさ。今どき、マイクを凶器なんかに使うかな?
やれやれ、芸能界って怖い所だったんだね…
ふぅーっ
そんな訳で、無理矢理メンバーになった僕にも、やっぱり練習の時間があったんだ。
レッスンの時なんか風当たりが強かったな。
皆、僕を避けて無視するし、着替えも別々だし。
誰だよ?ハーレムとか期待した奴は…
「やっぱり、実力で入らなかったから嫉妬してるんだよね?」
って聞いた事があったんだけど…
そこでも、殺されかけたよ。
もう少しで、その子が掴んだタウンページの角が顔面に直撃しそうだったんだ。
角だよ?角?
アイドルは顔が命なのに、解ってるのかな?
勿論、避けたけどさ。
無傷だったからって、その子はお咎め無しっていうのは、どうかと思うよ。
マネージャーは、女の子に甘いんだから…
困るよ。
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