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平成23年 9月3日の昼休みから始まる
平穏な空間に亀裂が入った
学校で殺人事件が出た
校内では警察や関係者、色々な人でごった返している
授業は勿論通常通りではなく短縮型になった
「短縮は嬉しいけどさぁ」
多くの生徒は不安や不信感を抱いている
織田拓磨もその内の一人だ
(誰も声に出して言わないよな、短縮が嬉しいなんて)
「嬉しいけどなんだよ」
吉野豊も本心では早く家に帰れる事は喜んでいた
織田の気持ちは分かっていた
それゆえ同意はできなかった
「交換生になって一週間もないのに殺人事件とは怖い」
「そうだな」
とりとめもない会話をしているつもりでも不謹慎な事を言わないように気を付けて話す
「結局詳細は口止めされてたけど皆知ってるし」
「誰だよいった奴はよ」
「何、悪い?」
二人の後ろにはいつの間にか市雪如月が立っていた
同じクラスの文系は図書室へ移動しなければいけない
市雪も二人と同じように小走りで向かっていた
「市雪さんか、びっくりした」
「気配消しすぎ、幽霊かと思った」
「なっ!事件の事教えてあげない」
そう言うと二人を抜かし先に行った
変な人だと思いながらも事件について何か知を知っているのか問いたくなった
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