3話

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一人の少女は親にも見捨てられ、周りの人にも見捨てられていた。 少女は悲しんだ。毎晩毎晩、泣いた。 そんなある日、少女は泣かなくなった。 少女は笑うようになった。周りの皆もだんだん仲良くなっていく。 だけど、少女の笑顔は作られたものだった。 少女の頭にはいつも『復讐』の文字しかなかった。 皆の生活は少女が中心となっていた。 そんなある日の事、少女は自殺した。 周りにいた人の心に大きな傷をつけて。 死ぬ時の少女の笑顔は本当の笑顔だった。 そんなような物語風の歌詞だった。 私に似ている。初めてこの曲を聴いた時、そう思った。 音楽を聴きながら夜の町を自転車で走る。 考えると胸が高鳴る。どうしてだろう。 ああ、感動しているんだ。 見覚えのある、公園に着いた。 人影は一つ。若菜だろう。 私は若菜のいる方へと歩いていた。
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