1569人が本棚に入れています
本棚に追加
「ちょっとそれどういうことよ!」
勢いよく立ち上がって怒鳴るのは、あたし。永倉誠花。
なぜこんなことをしているかというと、理解不能なことを言われたから。
「おっ、落ち着け誠花…!」
あたしのあまりの勢いに、少し引き気味なのは永倉古矢おじさん。幼い頃に両親を亡くしたあたしは、両親と仲の良かった永倉家に引き取られ、なんやかんやとあって古矢おじさんと二人で暮らしていた。
幼いころに両親を亡くした。
そう、そのはずだったのに、あたしが怒鳴る直前に言われた一言で、全てがひっくり返った。
「だからどういう事って言ってるの!」
「…お前の両親は、生きてんだよ。幕末で!」
意味がわからない。だって今は西暦20--年なんだよ?
幕末って、そんなこと言ったら…。
「おじさんのご先祖の生きてる時代じゃないの!」
「そうだよ、お前は、その時代から来たんだ。」
あたしは頭が真っ白になって、後ろのソファに座り込んだ。
ちょっと、まってよ、頭の整理追いつかないわよ。
こう話している中、ライトの点滅のように透けては戻ってを繰り返すあたしの手。
すこし、整理しよう。
最初のコメントを投稿しよう!