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「あぁ……、あああ!」
我慢なんてできない。構うことなく声をあげて泣いた。起きた時より明るい障子の外に、賑やかな八木邸。
あたしのいる部屋だけまだ真っ暗なようだった。
「なんなの、なんなのよ…、動いて、動いてよ!!」
上半身を起こし、ガンガンと自分の足を殴る。いくら叩いても、殴っても、あたしの足は動かない。なのに、痛みだけはちゃんと感じる。
「どうなってんのよ、馬鹿になるなら全部なりなさいよ、こんなんじゃ、痛くて、痛くて……。」
ボスっ……ボスっ……。
無気力に、自分の足を殴る。一体何をしたらあたしの足は動くんだろう。
泣きすぎて、まぶたと頬がひりひりする。拳はなんだか、ジワジワ痛む。
あたしが何をしたの、どうしてこうなるの。
ただ、あの二人の娘として生まれただけで…。
こんなドラマみたいなセリフを、まさか自分が思うようになると思わなかった。こんな、自分勝手な、悲観的なことを。
でもそうなのね、人って、悲しいことばっかり起こると自分勝手な悲しい考えになるのね。
笑えてくるわよ。
「はは、なによ、いいじゃない、あたしが悪いんでしょ。
どうせまた、あたしが、あたしが……。」
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