第1章 スタート

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 思った通り、お母さんはイケメン先輩で盛り上がっている。  若干私は置いてけぼり。  そう言えば、入学式来てくれるのかな?やっぱり入学式には出て欲しいな。 「無事に峰嶺に入学出来るよ」 『本当に!ありがとう!後でお爺様の所にもお礼を言いに行く』 「その前にお礼を言う所があるから…」  お母さんを呼んで何か話し始めた。  イケメンでワイワイ騒いでいた表情はなく、いつもの表情とも違う。  見た事が無い表情でお父さんと話している。  私の我侭でお父さん達に困らせてしまったのかな。それでお爺様に何か言われたのかな。  お父さん達が辛い思いをしてまで叶える夢ではない。断ろう…3年待てばいい話し。 『お……』 「羨ましい。秀さん私も残るぅ」 「何を言っているんだ。留美が来てくれなければ…」 「寂しい?」 「当たり前だろう」 「秀さんっ!」  深刻な話をしてると思ったら、なに娘の前で堂々とイチャイチャしてるの?  私の罪悪感を返してよ!こうなったら何が何でも1人暮らししてやる! 「姫、余所行きの服を着てきなさい」 『はい…』  お父さんはお母さんの腰に手を回し、お母さんはお父さんの胸に顔を寄せ、ウットリとした表情で「ゆっくりでいいわよ」言っている。  私が居なくなったら何をするつもりなのでしょうか。  両親のラブシーンだけは絶対に絶対に絶対に見たくない!!  見たい人が居たら、そんな人を見てみたい。  お爺様の所へ行くのだから、お誕生日に買って貰った服一式を着て薄く化粧をした。  高校に行ったらバイトもしたいけど、お洒落もしたいな。  あわよくば、彼氏も……なんて子供の私には未だ早い話しだよね。初恋だって未だなんだから。
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