第1章 スタート

7/26

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/85ページ
「姫は財閥って分かるよな?」 『うん』 「では、トップに君臨するのは?」  授業みたい……。でも分からない問題じゃない。少し前まで猛勉強していたもんね。 『唐島財閥』 「正解。では、唐島をトップに四天王と呼ばれる財閥は?」 『日比谷、相模、渡瀬、三井』 「大正解!その三井がうちだよ」 『えっ?三井財閥がうち?』 「そう」  お父さんには大変申し訳ないから口には出せないけれど、両隣と同じデザインの所謂建売の家が三井財閥?  お爺様の家なら納得出来る。  うちは分家で、お爺様の所が本家?なら納得出来る。  分家の家がアメリカ支社の支社長なんて出世じゃん!  凄いよ!お父さん!!  お赤飯だね!鯛の尾頭付きだね!!あとは……  財閥の出題の前に……  お赤飯とか騒いでいる前でもなくて……  ましてや尾頭付きなんて騒いでいる場合でもない。  支社長に就任して、家族で行くって言ってた!!  絶対に無理!……これってチャンスじゃん!  私の夢の第1歩なんてものじゃない。叶うチャンスだ。 『私は峰嶺に行きたい!どうしても行きたいの!』  此処で1人暮らしがしたいなんて言ったら絶対に反対する。  両親揃って大反対する。娘の私が言うのもなんだけど、両親とも私を溺愛している。  親友2人を見て実感している。 「女の子1人置いていけるわけないでしょう」 「そうだ。それに姫の成績なら向うでも選べるだろう」
/85ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加