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「姫は財閥って分かるよな?」
『うん』
「では、トップに君臨するのは?」
授業みたい……。でも分からない問題じゃない。少し前まで猛勉強していたもんね。
『唐島財閥』
「正解。では、唐島をトップに四天王と呼ばれる財閥は?」
『日比谷、相模、渡瀬、三井』
「大正解!その三井がうちだよ」
『えっ?三井財閥がうち?』
「そう」
お父さんには大変申し訳ないから口には出せないけれど、両隣と同じデザインの所謂建売の家が三井財閥?
お爺様の家なら納得出来る。
うちは分家で、お爺様の所が本家?なら納得出来る。
分家の家がアメリカ支社の支社長なんて出世じゃん!
凄いよ!お父さん!!
お赤飯だね!鯛の尾頭付きだね!!あとは……
財閥の出題の前に……
お赤飯とか騒いでいる前でもなくて……
ましてや尾頭付きなんて騒いでいる場合でもない。
支社長に就任して、家族で行くって言ってた!!
絶対に無理!……これってチャンスじゃん!
私の夢の第1歩なんてものじゃない。叶うチャンスだ。
『私は峰嶺に行きたい!どうしても行きたいの!』
此処で1人暮らしがしたいなんて言ったら絶対に反対する。
両親揃って大反対する。娘の私が言うのもなんだけど、両親とも私を溺愛している。
親友2人を見て実感している。
「女の子1人置いていけるわけないでしょう」
「そうだ。それに姫の成績なら向うでも選べるだろう」
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