第1章 スタート

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「分かった。お爺様に話してみよう」 『ありがとう』 「お父さん達も姫が頑張ってきた所を見てきたから」  お父さんは少し寂しそうな表情を見せた。  16年間ずっと一緒だったから、離れるとなると寂しい。  同じ日本なら、甘えて頼める事も遠い海の向うなら1人で何とかしなければならない。 「ママ寂しいわ」 「子供成長を邪魔してはダメだよ」  後はお爺様がOK出してくれれば、晴れて1人暮らしが出来る。  それまでこの喜びを見せてはいけない。  1人暮らしが本命なんてバレたら、お父さんが言う確実にアメリカへ栄転になってしまう。 「総帥と話してくる」 『お願いします』 「そんな緊張しなくていいよ」  お父さんは携帯を持ってリビングを出た。  此処まで話されても未だ実感が湧かない。お父さんが長男で、時期総帥……。  公立の小学校、中学校を卒業。  何とかかんとか頑張って自宅に1番近い高偏差値の峰嶺学園に合格した。  家近【いえちか】を選んだのはアルバイトをより長くするため。  峰嶺と言えば……お母さんがテンション上がる話しがあった。 『さっきね、ポポの散歩中峰嶺の生徒でイケメンに出会ったの』 「ママも見たかった!峰嶺のイケメンって四天王かしら?それとも3王子かしら」  四天王?  さんおうじ?  四天王って…ある道、ある部門にもっとも秀でた四人の称。(By広辞苑)は分かるけど……。  さんおうじって何?  4月から入学する娘より母親の方が詳しいってどういう事?  どれだけイケメン好きなの……。イケメンネットワーク広すぎるよ!
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