3月20日、とある高校の終業式

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「やっと着いた、結構ギリギリだったな・・・・・・」 「おい、コラ!そこの一年生、時間ギリギリじゃないかもう少し早めに・・・・・・って君か」 「式見先輩おはようございます」 正門前で一息ついていたら、門の横に仁王立ちしていた先輩から声をかけられた。 「あぁおはよう挨拶は大事なことだな・・・・・・そうじゃない、今日は3学期最後で終業式なんだからいつもより早めにくることをだな――」 目の前で説教を始めたこの人は式見(しきみ)くう先輩、二年生。 モデルのように整った顔立ちと凛とした表情、幼い頃から習っている剣道の影響で常にピンと伸ばした背筋。 それに加えて竹を割ったような真っ直ぐな性格に、動きの邪魔になるからと髪を一つにまとめたその姿はさながら剣道小町というよりは女剣士で、男子はもとより女子からの人気も高い。 典型的なスポーツウーマンの掛川とは違い、その抜群のプロポーションは学校随一との噂で、事実そのたわわに実った―――。 「!」 殺気!!! 気がつけば、式見先輩は目の前で木刀を上段に構えていた。 「おい今なにか、いかがわしいことを考えなかったか?」 「い、いえいえ考えてません!」
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