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「警備員のアルバイトですか?」
『えぇ、どうかしら?』
そんな電話がレルバのところにきたのはエナと別れてから三日後のことであった。
電話の相手は他でもないエナだ。
エナの話しによると、近々首都クレタの創立100年を記念してイベントが行われるとのことで、その警備員のアルバイトを募集しているらしい。
もっとも、アルバイトの警備員に割り振られる場所は郊外や駐車場がほとんどだと。
エナにレルバが指名された理由としては、その体格故とクロダ氏の殺害を未然に防いだからであろう。
(イベント……確かそんなことが今朝の新聞に書いてたっけなぁ。)
実際、今のレルバに仕事はない。
やることと言えば、近くをすみかとしている野良猫に餌をあげるか、最近始めたランニングコースを散歩するくらいだ。
断る理由もない。
「是非ともお願いします。」
『そう。でしたら一度本署まで来てください。そこで本イベントの説明を致しますので。』
今、思えばの話しだ。
これが始まりなんだと。
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