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◆ ◆ ◆
エナ・ケアルは極めて優秀な女性であった。
幼少の頃から厳格な父に育てられ、物心がつくまえから英才教育を受けていた。
小さいながらも刑事であった父を見習い、悪を赦さず、法という名の正義を突き通すという徹底した女性に育った。
エナが将来の夢を警察官に決めたのも、父の影響があったと言えよう。
自分が将来警察官になりたいと父に言った時には、厳格で笑顔もなかった父が喜んでくれたことも、今でも覚えている。
やがて成人し、文武両道として完璧と言わんばかりに立派に成長したエナは当然と言うべきか警察官になるための試験を受けた。
それも、普通のではない。
エナが受けたのは超難問として有名なクレタ警視庁の試験である。
筆記試験、見極め試験、狙撃試験、危険物処理試験、緊急時行動試験etc...
普通の警察官では行わない試験が普通に出てくる超難問のクレタ警察庁。
それでも、エナはこれを難なく合格してしまったのである。
無論、警察官になりたいがためである。
だが、その心のどこかでは、父に誉めてもらいたかったのもあったかも知れない。
そして、待ち望んだ、恋い焦がれた警察官としては憧れのクレタ警察官の職に就いたのである。
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