第二章

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「まあ、それにあれだ。あんなでも一応ザンリル内では強い部類に入る奴らだ。不安なら頼…………いや、駄目だな。やはり却下だ。ミオなら一人でも大丈夫だろう」 「は、はい。頑張ります……」 彼は上げて落とす作戦なのか、前半で褒められたと喜んだのに後半で見事なまでに落とされた。 信用されていないのだろうか。だが、今までの行いが行いなので自業自得だ。苦笑して後頭部を掻く。 レインはというとアレンとの再会以上の笑みを浮かべ、彼女に近付いて腕を肩に回した。ミオは露骨に嫌な顔をする。 「ふふふ……大丈夫だぜ、ミオ。おれがアレン君の代わりにしっかりと守ってやるから。だから安心してサポートし……」 「ああ、うん、大丈夫。自分の身は自分で守れるから、レインくんはしっかりと物を壊さないように頑張ってね」 「久し振りなのに冷たい!?」 久々なのに相変わらずの彼女に態とらしく項垂れる。彼のこの性格には呆れたものだ、とアレンは溜め息を吐いた。 レインは明るく皆の人気者。コミュニケーション能力もずば抜けて高い。そして──極度の女垂らしだ。 女性を見つけては、麗しいレディだと訳の分からない事を言いながら近付き、一秒もない間にナンパをする。 特にこの男はミオにご執心で、彼女を見かければすぐさま駆け付け、このような言葉を発するのだ。 そして毎回悉く冷たくあしらわれる。それでも懲りずにアタックしてるのはある意味で尊敬すべき所だろう。 悄気るレインはともかく、今回の任務はこの三人のようだ。久々に昔の面子が集まったことに思わず頬が緩む。 クリスはそんな三人に向け、ごほんと咳払い。すぐさま三人は彼に向き直り、ぴしっと背筋を伸ばす。 「では、一七○○より任務を開始する。場所は(ゲート)が存在する中層部郊外の街バージ・タウンだ。健闘を祈る」 各々返事をし、ヘリコプターに乗り込む。ミオは乗り込む直前、操縦士と操縦を手伝うか否かを訊ねていた。 驚きなのだが彼女はヘリの操縦免許を取得している。それ故に手伝う事がないかと訊ねていたようだ。 だが、どうやらないらしいのでアレン達がいる座席の方へと照れながらやって来た。アレンの隣に腰掛ける。 三人がしっかりと安全対策するのを確認した操縦士はバージ・タウンに向かう為、淡い夕日に染まる空へ飛び立った。
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