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その時にどうせならこっちに来いよとアレンが言ってくれたので、ミオはアレンの隣で本を読んでいる。
読んでいるのは、解読が難しいとされる古代語が書かれている本だ。
本は大昔滅びたとされるベリウス語で書かれ、数ある古代語の中でも、特に解読が難しいと言われているらしい。
だが、ミオにとってはこんなのは簡単だ。
文や文字が持つ法則さえ解れば、誰だってすぐに読めるものという考えを持っているからだ。
昔の人は、この文字を使っていたのだから読めない訳がない。
数年前にアレンとレインにそう言い、二人の頭から湯気のようなものが出ていたのを鮮明に覚えている。
たまたま通りかかったアスリナが「祭りのように馬鹿騒ぎしている男子共に見習わせたい」と言い、アレン達を睨んでいたのも覚えている。
彼女はずっと読書していたが隣にいるアレンが気になり、時折チラリと遊んでいる彼の横顔を見た。
気付いたアレンはにこりと微笑む。
すぐに顔が真っ赤になったのを感じたミオは、本で顔を隠した。
――またアレンくんと一緒……嬉しいなぁ。レインくんも久し振り。
ミオはザンリルに入った当初に迷子になっていたのを二人が助けてくれたのを思い出して微笑んだ。
すぐにハッとなり、二人に見られていないか急いで反応を伺った。
もし、さっきのにやけた顔が見られていたらと内心焦りだしたのだ。
しかし、ミオの心配は無用だった。
タイミングがいいのか判らないが、二人はトランプに夢中で周りが見えていないお陰で見ていなかった。
――……良かったぁ、見られていない……。
ミオは心底ホッとし、息を吐く。
再びアレンを見ると、今は調子が良いのか満面の笑みだ。
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