第三章

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女子は触れてはならない変なスイッチがあるから、あまり神経を逆撫でするような事を言うなと、レインが昔言っていた。 その後、彼女も武器などを装備し、ブーツの紐をキツく縛ってから俺らを見た。 俺もみんなを見る。 全員、準備は万全のようだ。 「じゃあ、行こう」 ミオは俺らの顔を見て、言った。 俺らは待ってましたと笑って走り出す。 「アレン!どっちが先に門(ゲート)に着くか、勝負な!!」 「望むところだ!」 うおぉっ!と、馬鹿二人が競争を始め、猛ダッシュで門に向かっていったので、ミオは置いてけぼりになってしまった。 しかし、特に焦る事もなく、はしゃぐ俺らの後をゆっくりとついて行く。 昔からの仲なので、俺らがこういう性格で子供っぽい競争をよくするというのは解っている。 だから、特に焦る事もない。 彼女ははらりと顔にかかった短い黒髪を指で耳の後ろにかけると、街の小さな門の前で足を止めた。 目を瞑り、大きく深呼吸をする。 瞑想のような状態で突っ立ったまま、心の中で意思を固める。 「私がアレンくん達のブレーキ係だ……。頑張らなきゃ……!」 変な使命感を抱いた言葉を呟き、ミオは遠くの方にいる俺らを見た。 俺らは未だに競争を続け、ミオからは距離が結構離れていた。 ミオは追いつくために走り出す。
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