『ようこそ物語へ』

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視界はまだ白くぼやけている。 ここは現実。 頭を何かで叩かれたような痛みを感じた。 周りを見渡して見ると、自分と同じように頭を抑えている生徒が何人もいる。 みな、さっきまで顔を伏せていた生徒ばかりだ。 犯人は大体想像がついていた…… 『おい、お前ら!いくら天気が悪いからって、俺の授業で寝るな』 先生が教卓の前で腕を組んでいる。 お前の授業が退屈なんだよとは誰も言えない。 犯人は間違いなく奴だ。 だけど何故、教卓にいる人間が後ろの隅の席に居る俺を叩く事ができたのか。 それは、この時代を生きる人間なら誰もが即座に理解できる。 理由は簡単。 先生は、能力者だからだ。
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