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――キィ
ドアノブに手を添えたまま屋上に足を踏み入れると、階段が暗かったぶん光が私の体を包み込む。
暫くそこから空を見上げた。
そして小さく伸びをして、ゆっくり息を吐く。
……やっぱりここ好き。
足を前に踏み出しながら、いつも座るベンチに視線を向けた。
……。
私は歩みを止めて、キョトンとした声を出す。
「へ……」
いつもは人気のない屋上。
今日はそこに、先客がいた。
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