火の国の女王様

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とりあえず大通りに出てタクシーを拾い、火の国に行くことを告げると 「お客さん、火の国には行かないほういいですよ。」 「なんでです?」 「暑いから。」 「じゃあ行きます。」 暑いことくらいだいたい国名で想像がついていた。 どうせ火山とかあって なぜか洞窟から中に入れちゃったりするんだろう。 タクシーに乗ること4時間。 主人公特別サービスで料金メーターが止まったままのタクシーはようやく火の国の隣国、水の国まできた。 ちょっと見てくかい? と言われたが、 どうせ物語の後半で行くからいいです。 と言って断った。 それからタクシーに乗ること2時間。 あけびはぐっすりおれの肩で眠ってしまっている。 おれの息子はその寝顔と角度によって見える幼いおっぱいに すっかり元気になってしまった。 最近はあけびが器用に舌を使って満足させてくれたが 今日は久々に使い慣れた右手でむなしくむなしかった。 なんだかんだで丸一日かかって火の国についた。
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