２つの世界、孤独な鎖

★ １ ★

梅雨も明けていないというのに、連日３０度近い気温と日差しが日本全国を真夏の陽気にしていた。
辰巳ポートアイランドは水辺に近いせいもあって、湿気が酷くまるで蒸し風呂を連想させるような状態になっていた。
まとわり付くような湿気を、鬱陶しく思いながらも大学からの帰り道、真田は今日も同じ道を歩いていた。