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「落ち着けクズ」
「クズじゃなくて葛だぁあ!」
腰に巻かれている腕から逃れようと暴れるが逃げられない
「とりあえず、1番簡単な仕事にしといてやったんだから感謝しろ。わざわざお前に付き合ってくれる圭にも礼を言っとけよ?」
佐藤先輩に言われてピタリと止まる
私みたいに反論したりせず、黙っている松田先輩
申し訳なくなってコクリと頷く
「よし」
佐藤先輩は優しく頭を撫でてくれた
………………………………
眠い…眠すぎるよ
布団からなかなか出られない
あと5分だけ……
意識が途切れそうになった時、携帯が大音量で鳴り出した
聞いた事のない曲が流れる携帯を慌てて見る
【篠原駿】
は!!?
何故篠原先輩が私の番号知ってるの!?
恐る恐る通話ボタンを押す
「クズさくらさ~ん?起きましたか?」ブチッ
携帯を枕に投げつける
しかし、直ぐにまた大音量で携帯が鳴った
「折角人が親切にモーニングコールしてあげたんですよ?お礼は無しですか?」
いけしゃあしゃあと言う篠原先輩の声を聞いて携帯を握り締める
手の中でミシミシと携帯が悲鳴を上げた
「あ・り・が・と・う・ご・ざ・い・ま・す」
棒読みで伝えると「いえいえ。では」と通話が切れた
なんと腹立だしい
こんな目覚めの悪い朝は初めてだ
「ドS変態鬼畜野郎篠原ぁああ!!!!」
近くにあった熊の縫いぐるみのお腹に重いパンチをくらわせ、ドカドカとリビングに向かった
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