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「みやは、お母さんみたいだなー」
「それは、手のかかる子供を持ったものね」
正直な感想に、十年来の親友、神埼雅は苦笑とも頬笑みともとれる微妙な表情を作った。
「そうかな? わたし、結構いい子だと思うんだけど」
「それは自分を過信しているわね」
あっさりと切り捨てて、みやは視線を持っていた本に戻す。
その横顔を、じっと眺める。
みやを一言で表現するならば「優等生」だろう。
あるいは「高嶺の花」でもいいかもしれない。
すっと伸びた背筋。美しい黒髪。やけに似合っているスリムな眼鏡。
こうやって本でも読んでいれば、整った目鼻立ちと相まって深窓の令嬢のようだ。
しかも成績も優秀とこれば、わたしからしてみればパーフェクト超人と言ってもいい。
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