身分、学生。職業、空き巣。

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ふと誤魔化すように辺りに視線を巡らせる。 すると二人の女性はすすり泣きながら俯いていた。 ……帰ろうかな……。 見てて痛々しいし、何より空気が重い。 しかも娘さんの方なんて……いや、空き巣が深く考えることじゃないか。ゲスの勘ぐりは良そう。 それよりも。 如何に上手く、この場を撤退するかを考えた方が良さそうだ……。 「そなたは一体どこから?」 厳重な警備をかいくぐって、屋根から入りましたが、何か? 「その剣は、7つの鍵で、レーギャンの箱に納められたら、魔剣・レヴィアタン……どうしてそれを?」 え?ピッキングでちょちょいと開けました。ええ、だって盗っ人ですもの。 「そして何より……――」 一度息を取り直し、そして威厳を保ちながら言い直す。 「そなたは一体何者だ?」 空き巣ですが何か?
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