way of life―first―

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「はよ―、大輔」 「うーす」 雨に打たれて表面だけ濡れた鞄を机に置く。和光 明徳の後ろにある景色からは、まだ黒い雲が見えている。お昼までには止むと言っていたのだが、ほんとなのだろうか。 「寒いねえ。衣替えしたばっかなのに。おれブレザー着てきちゃたよ」 衣替えしたと言っても、始まった月の始め一週間ほどは夏服、冬服のどちらを着てきてもいい期間がある。気温の上下が激しい季節だからだ。 明徳がブレザーを脱ぐと、その下は大輔と同じ半袖のワイシャツだった。薄い素材で作られているせいで、その下のアンダーシャツが透けて見える。夏の日に三枚着る必要があるかと疑問に思わないでもないが、今ばかりは羨ましい。 袖がないシャツが無かったため、アンダーシャツすら着てこれなかったのだ。 「もっと暑くなってから衣替えすればいいのにね、大輔」 「笑顔でいうな、そのブレザーひったくるぞ」 「寒くないの?」 「寒いさ。でもクリーニングに出したから仕方ない」 「早くない? 出すの」 「俺の性格上、早め早めに行動しないとめんどくさがって動かなくなるからな。昨日の内に出した」 「それが裏目に出たんだね」
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