way of life―fourth―

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「じゃあ、桜ちゃん、こういうのはどう? ダジャレ」 ダジャレ? 「ほら、つまらないダジャレを言うと空気が凍るって言うじゃん。あれを再現したらどう?」 どう、と言われたって、そう簡単に再現できるものなのだろうか。 名案とばかりに顔を輝かせる療の隣で、桜は顎に手を当てる。 「じゃあ……大輔。身を凍らすような寒いダジャレをどうぞ。 3…2…1」 「なぬ? え? あ…… 『藁』が、『笑』った」 まるで、時間が止まったようだった。 熱というのは原子の振動によって発生するらしい。ということは、振動さえさせなければ、熱は発生しないわけだ。 時間が止まれば、当然振動も止むわけで。 そうなれば当然寒くなるわけで。 「……笑えよ……笑ってくれよ、頼むから……」 「なんだろ、寒いんだけど、恥ずかしくてぼくの体が熱くなってく」 「布団が吹っ飛んだ、みたいな王道なら笑えたのに、ちょっと捻ってあるところが逆に腹立たしいわ」 うるせえやい。
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