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空から光輝く雪が舞い降る夜
春(ハル)は右手にはギター、左手には大きな花束を持ち約束の場所に立っていた。
春は、周りを見渡し誰かを捜しはじめるが…周りには誰もいない。
近くの石段に腰をかけた春は、花束を自分の足元に置き、白い息が混じる中あの唄を口ずさみながらギターを弾き始めた。
静かで穏やかな夜に綺麗なギターの音色と、透き通った声が響き渡る。
その声はどこか切なく哀しげな声だった…。
「なぁ…美優。この唄は届いてるのかな?
あと数ヶ月もすればお前と出会った季節がくるのに…。
なのにお前は今日も来てくれないんだな…。」
春はうつむき、数時間その場から動く事はなかった。
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