卒業…そして

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私は顔を上げる事も出来ず… そのまま、「大丈夫です…」 と、答えた… 「本当に、大丈夫か?動ける?」 今度はすぐ近くで聞こえた… 何とか動けそう… 顔を上げ声の主を見ると… シンゴくん… 驚いたけど… きっと気が付いてないんだ… 私は、気が付かなかった事にして… 「大丈夫です…ずいぶん楽になりました…」 と、答えると… 「何で敬語?本当に大丈夫?顔、真っ青だよ…ブー子」 気が付いてる! 「シンゴくん、分かってたの?私の事…」 「はぁ?小中一緒だし…毎日、同じ電車だぜ…気が付いてなかったのか?」 シンゴくんは、普通に言った… えっ?ただでさえ、ボーとしてる頭では理解出来なかった… 確かに、シンゴくんの制服… 私の通う高校の近くの男子校の制服だった… 「髪型変えたから分からないかと思って…」 と、立ち上がろうとすると… 「大丈夫か?ほら!」 シンゴくんは、手を貸してくれ… 荷物を持ってくれた… 「確かにね…メチャクチャ痩せたし…髪型も…可愛くなったよな…」 と、シンゴくん? 可愛くなったって? 「ありがとう…可愛くなったなんて…」 「でも、無理なダイエットは良くないぞ…しっかり食えよ」と、私の頭を小突いた…
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