短い話集

星を売る男

はじめまして。

私は星を見つけて売る商売をしています。

まあ、星を欲しがる者達がいるから私の商売も成り立つのですが、なかなか条件を満たすのは難しいですね。

しかし、注文は意外と多いのですよ。

今日もある者達から注文があり星を探しに来ました。

ここは宇宙でもかなり外れにある青い星です。

者達が生きていく上ではかなりの上物です。

７割の海に３割の陸、それに知的生命体はまだいないようで、かなり高い値段で売れそうです。

こんな上物を見つけたのは久しぶりですね。

その星の生命体は巨大な爬虫類のような姿をしていて、自由気ままに闊歩しています。

しかし、私のデータでは間もなくこの星には、巨大な隕石が落ちるようで、自由気ままに闊歩出来るのも後、僅かなんですよね。

そうなると星が売れないのではと思いでしょうが、その点は大丈夫なんです。

星正常装置と言う機械があるのです。

３ヶ月もしたら、元通りになるのですよ。

凄いでしょう？！

まあ、隕石のおかげでわざわざ巨大な生命体を排除しなくて良いので、こちらとしては助かりますがね。

結局、この星を誰が買うかですか？

う～ん本当は言ってはいけないんですけど、特別に教えます。

地球と言う星の者達なんですよ。

どうも温暖化で酷いらしくお急ぎだと言ってましたね。

さて、そろそろ隕石が近づいて来ましたね。

私はこれで失礼さして貰いますよ。

もしあなたも星が欲しくなったら、私にご一報下さい。

高額な買い物になりますけどね。

それではまたどこかの星でお会いしましょう。