見習い悪魔くん

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今日、私は死んだらしい。 横断歩道を渡っていたら、車にポ~ンと跳ねられた。 そのまま、チ~ン!! ここはいわゆるあの世と言う所だ。 何もなく、ただ、道だけがあった。 その道には死んだのだろう人々の列が永遠と続いていた。 その先には門のような物が見えている。 多分、あそこがあの世の正式な入り口なんだろう。 どのぐらい経っただろうか、とは言っても時間と言う物がないから意味はないのだが…。 人々の列の脇に黒い姿の者達がいるのに気づいた。 その1人が私を見ると近づいて来た。 『お前、確か車に跳ねられた奴だな?名前は○○だな。』 私は頷くと黒い姿の者は手を引っ張った。 門には3つの入り口があり、私は真ん中の入り口に連れていかれた。 『あのな。ここはもう一度生き返れる入り口だ。そうは言ってもすぐに生き返れる訳ではないぞ。しばらくはここで待機だ』 私は不思議そうに黒い姿の者を見つめた。 黒い姿の者はその視線に気がついたのか、自分の体のあちこちを見ている。 『なんだ?何かついているか?』 私は疑問に思っている事を聞いた。ここはどこで、あなたは誰かと言う事を。 『あははは…自己紹介が遅れたな。私は悪魔だ。名前はビルだ。悪魔が居るからと言って地獄ではないぞ。とは言っても天国でもない。その前に天国も地獄などないからな。あれは人間が勝手に言っている事だ。しかし、天使は居るぞ。悪魔を500年やると天使試験と言うのがあってな、受かれば天使になれると言う訳だ。あははは…なんで俺はこんな事話しているんだ?』 このビルと言う悪魔はおしゃべりが好きなようだ。 『さて、後はこの入り口を真っ直ぐ行ったら楽園がある。お前はそこでしばらく暮らす事になる。それじゃな。…ん?』 私はビルを呼び止めた。3つの入り口の事を聞きたかったからだ。 『お前聞きたがりだな。まあ、聞いても生まれ変わったら全部忘れてしまうから意味はないが、特別に教えてやるよ。一番右の入り口は天界行きなんだ。天界とはな、神様の居る世界なんだよね。だから滅多にあそこに入る人間はいないね。1000年前に藤原のなんとかと言う奴が入って行ったな。今は学問の神様やっていたかな?それで左の入り口は悪行を繰り返ししてきた人間を浄化する入り口だ。多分、ここを人間達は地獄だと思っているだろう。昔は少なかったのだが、最近は多くなってきたな。
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