見習い悪魔くん

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こうなると浄化機が足りなくなってくる。浄化が済んだら脱水して天日に干すんだ。乾いたらお前が行く入り口に連れて行くんだ。ようするに真ん中は普通の人間が生き返りを待つ所なんだよ。まあ、そんな所だな。』 生きている時に考えていたあの世とは全然違っていた。 私は聞きたい事も聞いたし、入り口に入ろうとした。 『おい、ちょっと待て!』 何故かビルから止められた。 『なあ、俺の話聞いてくれるか?』 私は別に急ぐ訳でもないから頷いた。 『実は俺さ、まだ見習い悪魔なんだよね。』 まさか、私に相談事か?悩みがありそうだ。ここは黙って聞く事にした。 『実は俺なここで一番偉いハーデスの息子なんだけど、何やってもダメダメでな…。』 相談したくなるのは分かるが、何故、私に相談するのだろう? ビルはチラッと私を見た。 『なんで俺に相談するんだと思っている?』 私はコクコクと頷いた。 『君の履歴見たからだよ。生前はカウンセラーしていただろう?だから君に相談しているんだ。』 確かに私はカウンセラーをしていた。 事故にあったのもカウンセラーを依頼され向かっている途中だった。 『だから、俺はどうしたら良いのだろうか?』 どうしたら良いかと聞かれてもどう答えたら良いのか分からなかった。 『悪魔には人間界で悪い事を促す仕事や、亡くなった人々を案内する仕事、後は浄化機を回す仕事とある。最初の以外は雑用をやらされているのと一緒なんだ。普通なら俺は人間界に行けるはず年齢なんだが、どうもドジで失敗ばかりだ。どうしたらちゃんとした悪魔になれるだろうか?』 そんな事を私に言われても、悪魔がどうあったら悪魔なのかわからないし、ドジと言っている所をなんとかしたら良いかもしれない。 とりあえず、どうなりたいか聞いた。 『そうだな…。親父のような立派な悪魔になりたいな。』 父親の事をかなり尊敬している。 しかし、立派な悪魔とはどんななんだろう? 悪魔も人も変わらないだろう。 ならば、自信を持たせるしかない。 そう決めたなら早い。 おだてまくってみるしかない。 それから私はビルを持ち上げ続けた。 『そうか。あははは…』 完全に調子にのっている。 『なんか、自信が付いて来たよ。ありがとうな。』 それからと言うと何かあるとビルは私の所に来て自信を付けて帰る。 おかげで私は今だに生き返れない。 トホホ…
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