Project1 オペレーション-少女育成計画-

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―――翌日。 熱気が残っている、夏の夕方。 六道 骸は、ショッピングセンター前の並木道に立っていた。 駅ビルの側面に設置された、大きなビジョンをじっと見つめていたが、画面はただバラエティー番組を垂れ流すばかりだった。 テレビ番組も、街の雰囲気も、骸の淀んで濁った心の中とは違って、平穏だった。 いたって、平穏………。 人混みの中にいると、いつも息苦しさを感じる。 自分だけ、周囲の人々と違うような………それでも、その背景の一部にすぎないような。 制服姿の生徒たちが、アイスクリームを舐めながら歩いている。 笑顔で、浮き足だった生徒たちの姿。 夏休み前の、緩んだ雰囲気。 強烈な日差しに、アスファルトから陽炎が立ち上っていた。 排気ガスと熱気の中、だらだらと流れ落ちる汗を拭って、骸は歩き出した。 .
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