Project1 オペレーション-少女育成計画-

12/18
前へ
/40ページ
次へ
「………すっごい汗かいてんね」 「た…体調が悪いんですよ」 「そ。だから学校休んだんだ」 骸から財布を受けとると、沙夜華はレジに向かった。 ショップの外で待っていると、会計を終えた沙夜華が出てきて、紙袋と財布を骸に渡す。 「助かります」 「こんくらい、別にいいけどね。 体調悪いんなら、早く家帰んなよ?」 沙夜華は自転車を少し押してから、こちらを振り向いた。 「骸は一人暮らしだからちょっと心配……。 あとで様子見に行ってあげよっか? 栄養あるものでも作ってさ」 「大丈夫ですよ。 風邪引いてますし、部屋も汚いので」 「そう……。 もう、子供の頃とは違うもんね。 あの頃は、お互いの部屋で遊んだりもしたけどね」 「そうですよ。 僕たちはもう、高校生ですから」 骸は沙夜華に手を振って、足早にその場を離れた。 沙夜華も、自転車を押して歩き出す。 「明日は、学校に来なよー!」 沙夜華は一度だけ振り返り、走り去る骸の背中にそう言ったあと、再び歩き出した。 .
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加