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面倒なのか何だか知らないが、普通に切ればいいのに。
そんなことを心中で思いながら(あくまで口には出さない)僕はミーシャに向かって口を開く。
「時間についてはしょうがねぇだろ?ここから僕の家まで、結構距離があるんだよ。どうしても誤差っていうものが生まれて、時間ぴったしになんか来れやしない。ていうか、大人としてって言うなら、10分くらいの細かい差くらい黙認しておけよ?かえって大人気なく見えるぜ?」
「別に俺は年齢的に大人のつもりだが、大人気があるとは言ってないがな。それはお前の勝手な解釈だ。そうは思わないか、なぁバク?・・・というより、何でここにいる?ちゃんと表を見張っておけ」
「この場合は、僕じゃなくてお前の度量の小ささが問題だと思うがな。どう思うバク?・・・ていうか、寝ようとしてんじゃねぇよ」
地味に口論となり、結果として第3者のバクに意見を求める僕とミーシャ。
しかし、その答えとしてのバクの台詞は、あまりに単純なものだった。
「う~ん、ミーしゃんもリオンの兄ちゃんもどっちも子供みたいだね」
『・・・・・・』
単純であるが故に、この3人の中で1番幼く見えるバクが、実は唯一の大人だったのかもしれない。
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