4人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
何故、偽名を使っているのか・・まぁ、その理由を今は、彼女の使う魔術の条件とでも言っておこうか。
厳密には少し違うのだが、しかし説明しだすとまた長くなるので、詳しいことは後程に話すとする。
とにかく、今はバクに起きてもらわなければ。
僕はバクの体を揺すり続ける。
「・・・ぅん」
そして、しばらくそうしていると、短く呻くような声を出して、バクが目を覚ました。
「なんだ、リオンの兄ちゃんか。久しぶりじゃん。何?何しに来たの?」
「何しに来たって・・・バク、お前ミーシャから何も聞いてないのか?」
「うん?何が?今日って何か予定あったの?少なくともバクはミーしゃんから何も聞いてないよ」
バクは眠そうにしながらも、緋色の瞳で僕を見上げ、そう僕と言葉を交わす。
・・・ちなみに、皆さんも分かっていると思うが、僕がこの教会で会おうとしている人物は、目の前のバクではなく、僕とバクの短い会話の中に出てきたミーしゃん、ことミーシャである。
スペルは“Misia”と書き、前述した通りかなりめんどくさい奴で、見た目もバクと違って可愛くなどなく、30過ぎのおっさんだ。![image=444446193.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/444446193.jpg?width=800&format=jpg)
![image=444446193.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/444446193.jpg?width=800&format=jpg)
最初のコメントを投稿しよう!