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しかし、何度見ても慣れない光景だな、これは。
バクの使う魔術---幻術。
幻を現実にすり替える術。
または現実を幻にすり替える術。
いや。
バク故に、夢を現実にすり替えるといった方が正確か。
夢も幻も、少なくともバクにとっては等しく同じものなのだろうし。
・・・それと、先ほどはスルーさせてもらったが、バクがバクという偽名を使っている理由も、この幻術を発動させやすくするためのものなのだ。
僕も詳しく教えてもらったわけではないが、この金髪の少女を“バク”という夢を食べる動物として認識すること。
それが幻術を発動するための条件の１つらしい。
だから、手っ取り早くバクという一人称を使い、そうやって人を騙して、幻術を使うそうだ。
そして、更にもう１つ付け加えるならば、先ほどまでの“５つの不自然な扉を見せる”幻術については、条件などおかまいなく、誰にでも作用させることができるらしい。
まぁ、教会への無断侵入を防ぐためなので、当たり前といえば当たり前だが。
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