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用途は問わない。
単純に口頭でも、少し手を加えて手紙でも、はたまた一風変わって小説なんかだったりしても。
そんなことはどうでもいい。
どうだっていいのだ。
それよりも、僕は知りたい。
もしもこの僕が、こんな僕が、何らかの方法で誰かにこの物語を伝えようとしている時、その時、僕はいったいどうなっている?
まず第一に、否、他のことはどうでもいいから、唯一それだけが知りたい。
未来のことなど分かるわけがないと重々承知してはいるのだけれど、それでも知りたくて知りたくて堪らないのだ。
満たされているのか・・・
それともまだ飢えているか・・・
目標を見つけ、将来の夢を見つけ、ゴールを見つけ、そしてそれら全てをやり遂げたと仮定して。
僕はいったい何を思う?
また、その道のりは自慢気に、そうでなくても自嘲気味に、誰かに語れるようなものなのか?
・・・分からない。想像すらできない。
今の僕には全く見当すらもつかないのだ。
まぁ。目標もなく、将来の夢もなく、ゴールもない、そんな今の僕に分かるわけがないとそう言われれば、それは確かに当然とも言えることだけれど。
逆に分かってしまってたまるか!と、他でもない僕自身が声を荒らげて言うことだってできるほどだ。
だから僕は、このプロローグの出来損ないだけを日記帳の1ページに記し、ペンを置くことにする。
いつか僕が誰かに語ることになるかもしれない、この物語の冒頭だけをメモして。
それを理解しえるその日が来た時、この物語は本当の意味で動き出す。
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