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とある日の午後3時過ぎくらいのこと。
僕は人里を離れた山奥にひっそりと存在する、古い教会へと・・・否、昔は教会だったであろう建物にやって来ていた。
そこは山奥といっても比較的 開けた場所であり、日の辺りも良く、暗いジメジメとした感じはしていない。
教会自体も大きく・・・まぁ、言い様によっては普通に廃墟とも言えるのだけれど、しかしそれでも、貫禄のある雰囲気を出しており、立派な佇まいをしている。
修繕をすれば、十分に普通の教会として機能させることができるだろう。
・・・それで、何故僕がこんなところにやって来ているのかと言うと。
特に変わった理由でもなんでもなく、ある人に会うためである。
この教会で。
こんな古びた教会で。
おかしいと思うだろうか?正直に答えてもらって構わない。
怒りなどしないし。
だって、僕だっておかしいと思うのだから。
待ち合わせならば、もっと近場の街中ですればいいものだろう。
どうしてこんな山奥の教会で?
まるで、やましいことをしている為に、人目を避けているみたいじゃないか。
不自然すぎる。
ハンターとしての仕事で、狩り場の近くで待ち合わせした、と言えば分からなくもないかもしれないが、しかしそんなに山奥ならば、待ち合わせをしている最中に魔物に襲われる可能性もあるわけで、やっぱり安全な街中で待ち合わせをした方がいいことになる。
やはり不自然だ。
・・・とまぁ、そんな感じに色々と並び立ててみたところで、いい加減にネタばらしに移るとしようか。
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