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「・・・・・」
目が点になる。驚きのあまり口をポカーンと開けて目の前の建物をしげしげと見る。
しばし放心状態だったが、自分の目的を思い出した遊飛は次の行動へ出る-
紙に記された住所にある建物。
それは宮殿か、あるいは大きな洋館を思わせる、中世ヨーロッパ的な建物がそびえ建っている。
とりあえず、左隣にある、インターホンを押してみる。
-ピンポーン-
「いま開けまぁす♪」
かわいらしい女の子の声だった。
(もっと警備みたいなおっさんの声かと思ってた・・ホッ)
重たそうな大きな両開きの門が、自動で開いていく。
一応進んでみることにした。
(手紙の内容のことは中で、ってことなのかな。)
そう思いながら、これはまた広く長い中庭をはさんだ奥にそびえ建っている洋館を目指す。
「ながい・・・」
15分ほど歩いた頃、ようやく目的地と思われる洋館の前まできた。
2度目のインターホンを押す。
すると、建物の中のごく近くか直接声がする。
「は~い!」とどこか嬉しそうな声でドタバタと急いで人が降りてくる音がする。
せっかちな音はそのまま遊飛に近づいてくるではないか。
「え!」
-バーン!-
大きな音とともに、玄関であるドアが一人の少女とともに勢いよく開く。
「こ、こんにちは・・。どうぞ、中へ♪」
階段から転げ落ちたのか赤いたんこぶができた少女が恥ずかしそうに微笑む。
頬を少し赤らめながら、こげ茶色の髪のきれいな少女が座ってお出迎えしてくれている。
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