環 境

8/11
前へ
/87ページ
次へ
酒癖というのか、 普段おとなしいビー君は酒の勢いで態度はでかく,絡むようになる。 友達の輪の中でも恥ずかしいくらいで、 『ごめんね、ごめんね』と周りに頭を下げて連れて帰ることもあった。 飲んでも気持ちよくなる程度ならいいのだが、ダラダラと説教のような愚痴のようなものが始まる。 シラフで外からみていたらおかしくてしょうがない。 それが自分の旦那なんだから。 妊娠中の浮気とかよく言うが、浮気してもいいやと思うようになっていた。 大きなお腹で、 とてもそんな気になれないし今までの体とは別モノかのようだ。 この子がいればいい…そんな感じだった。 生活の方はやはり火の車だった。 まだまだ計画して貯金をしていく矢先に妊娠が判明、 仕事は辞めざるを得なかったのだから、 まったく余裕がない。 むしろ家まで改築しているから、そのローンだって半端じゃない。 さらに車。 ビー君が 『子供が産まれたら大きな車がいる』といいだし、 突発的に車をみにいった。 私も確にあの田舎から一歩動くには車が必要だったし、 一台ではビー君の留守に病院に駆け込むことがあったら不便だと思ったから、参考程度にみてまわった。 大きな中古車展示場で、 ビー君の後輩がセールスマンをしていた。 全く知らないで立ち寄ったのだが、話は弾み、オススメの車を試乗させられていた。
/87ページ

最初のコメントを投稿しよう!

141人が本棚に入れています
本棚に追加