環 境

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断る理由を探した。 買ってもらっても、あとから修理にお金がかかることを予想されるのに、そこまでして買ってもらう必要もないわけで・・・。 『すごくいいんですけど…、ほんとにいいんですか?お義母さんの車も、買い換えの時期じゃなかったですか?』 話題をお義母さんにずらした。 『あたしのは、まだ車検を受けたら乗れるわよ?』 といいながら、 「車検なんて受けても どっちみち壊れるゎよ!こんなぼろ車…」 とぼやいていたのをしっていた。 『じゃあ車検うけるんですか?車検代も、この車代もかかると大変なんじゃないですか?』 とお義父さんに聞いてみた。 『ふぅむ…』 やっぱ考えてなかったかんじで、悩んでいた。 気付いたら日も傾き、 薄暗くなっていた。 ビー君から電話があり、 車を検討していると伝えると 職場のそばだったのですぐに来てくれた。 流れを話すとビー君は、 『俺らは自分でなんとかするから、母ちゃんの車を優先したがいいよ。通勤にだって使っているんだし。』 『そうか?…じゃそうするかなぁ…』 ビー君の一言に納得した義父に、 後ろで笑みをうかべたお義母さん。 やっぱりねぇ。 『どうせ買うなら長く乗れるほうがいいわ。』 まってました!という お義母さんの中の心の声が聞こえた。 お義母さんは火がついたようにギラギラしていた。。 『理緒サンも使う時があるでしょうし、今のままの車より、収納もいい最近の車がいいわね!』 …どうせ丸一日乗り回しているんだ、私が使えるはずもない。 私はダシにされているだけだ。 それでもいい。 というか、慣れた。 そうやって、 お義父さんをいいくるめて、 結局新車の軽をお義母さんはGETしたのだ。 なんとも、したたかな人だ
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