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さらに,
お義母さんの
外孫かわいさは止まることなく続くのだが、
私達夫婦は母屋を『下の家』・奥にある私達の家を『上の家』とよんでいた。
ある日下の家にいったとき、
居間で見たすごいモノ…
『なんじゃこりゃ…』
思わず固まってしまった。
目の前には巨大なポスター。
お義姉さんの長男がデカデカとうつっていて、名前もかっこよく入っていた。
横幅は1m30センチあり、
縦長だったから大きさは・・・・想像してもらえるとわかるだろう。
その一瞬で、
お腹にいるこのこは産まれても、これ以上にかわいがられることはないと確信した。
実際、下の家でご飯を一緒に食べた時にそのポスターをネタにお義父さんにきいてみた。
『ここまで凄いと圧倒されますね。やはりお義姉さんの子供の方が初孫だし,思い入れもあるものなんでしょうね~』
『いやいや、そんなことはないょ。そりゃ外孫より内孫のほうがかわいいさ。』
いつも七福神の大黒さんのように目がないくらいにニコニコ笑うお義父さんはいった。
嘘でもそういってくれて、少し救われたのだが、
実母に同じような問いをしたとき、
『あんたねぇ、
もしもまーくん(実弟)の嫁が産んだ子供がいて、あんたが産んだ子供もいたなら、あたしゃあんたの子供の方がかわいいにきまっとるじゃなの!』
…ふむ。
この母でもそうなのだ。
本来子供とは、
大人の好き嫌いに関係なく愛されるべき存在だが、
環境でそれが通じないという苛立ちは、私をさらに追い込む原因となったのは間違いない。
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