産声

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わが子の名前は、 私が決めた。 最近では、当て字や 流行りのような名前があったが、シンプルなものにした。 溶け込みやすい響きで、 漢字にだけこだわった。 一回で覚えてもらえる名前が一番だったから。 意味は理知的で、 澄んだ雰囲気をもっていてほしいという感じ。 大分県の地名で、 玖珠の玖をとった。 とても素敵な土地だから、 また是非旅行にいきたい。 とにかく、 のびのび育って欲しかった。 ごみごみした人間社会のなかでも、うまく自分らしく生きていってほしい。 私から、子供への最初のプレゼント。 命名が決まってから、 病室の名前プレートもきちんと名前でかいてあった。 それまでは、 「○○さん長男」 だったから、 なんだか名前だけでも わが子が誇らしかった。 近い内に退院できるときいて、 その日はついつい、 迎え入れる準備の出来た実家を、 さらにまたチェックしたりして準備をした。 沐浴セットに肌着、おくるみ、ガーゼに色んな小さい物が沢山ならんだ。
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